2004年11月9日(火)「しんぶん赤旗」
BSE(牛海綿状脳症)対策の国産牛肉買い上げ事業をめぐり、大手食肉会社「フジチク」(名古屋市中区)が輸入牛肉を国産と偽るなどして国から補助金約三億二千万円を不正に受け取った補助金適正化法違反の疑いで、愛知県警捜査二課などは八日、愛知県同和食肉事業協同組合(愛同食)の代表理事を務める同社グループ会長・藤村芳治容疑者(62)ら七人を逮捕しました。また、同社本社など関係先数カ所を家宅捜査しました。
ほかに逮捕されたのは、愛同食役員・梅原欣志郎(57)、会社役員・渡辺強(54)、愛同食職員・丸山温司(40)各容疑者ら。藤村容疑者は容疑を認めているといいます。
藤村容疑者は、ハンナン牛肉偽装事件で起訴された食肉最大手「ハンナン」(大阪市)元会長で全国同和食肉事業協同組合連合会(全同食)専務理事の浅田満被告(65)と密接な関係があり、全同食や愛同食と緊密な「解同」(部落解放同盟)幹部も務めていました。
調べによると、藤村容疑者らは二〇〇一年十二月ごろ、BSE対策事業に絡み、牛肉在庫緊急保管事業(保管事業)を利用しようと企て、ハンナングループから仕入れた輸入牛肉約二百トンを国産と偽装。この偽装牛肉を混ぜた約五百七十トンの保管費用として、全同食などを介して農畜産業振興事業団に助成金交付を申請し、同月初旬、約三億二千万円を不正に受給した疑い。
浅田被告につづく藤村容疑者の逮捕は「解同」利権の実態を示すもので、この問題は日本共産党が一貫して追及してきました。