2004年11月7日(日)「しんぶん赤旗」
【ロンドン=西尾正哉】英国の公務員労組(PCS)は五日、政府の十万四千人の公務員削減計画に反対して二十四時間ストライキを行いました。ストには、二十万人の組合員が参加し、この十年では最大の規模になりました。
ストに参加したのは、税関や職業紹介センターの職員など。大英博物館の職員も加わり、博物館は閉鎖されました。
組合員千二百人は同日午後、市内をデモ行進しました。PCSのセワトカ書記長は「ストは、公共サービスを守ろうとする公務員の意気の強さを示した。政府が取ろうとしている道は公務員がまさに改善しようとしているサービスを台無しにするものだ」と強調しました。
ブレア政権のブラウン財務相は七月、公務員削減計画を発表。計画では、教育や鉄道など公共サービス充実のための財源を財政支出の削減でつくるため、公務員を削減すると発表されました。
削減の内訳は、国防省一万五千人、財務省一万六千人など中央省庁の職員八万四千人と地方自治体職員二万人で〇八年までに達成するとしています。労働組合は即座に反対を表明し、十月にスト権を確立していました。
ブラウン財務相は同日、「医療、教育、交通、犯罪対策への公的資金増大のため、人員削減する決意にストは影響を及ぼさない」とのべ、ストの影響を否定しました。