2004年11月6日(土)「しんぶん赤旗」
受託収賄など四つの罪に問われた元自民党衆院議員鈴木宗男被告(56)の判決公判が五日、東京地裁で開かれ、八木正一裁判長は懲役二年、追徴金千百万円(求刑懲役四年、追徴金千百万円)の実刑判決を言い渡しました。
鈴木被告側は全面無罪を主張しましたが、判決は四つの罪すべてで有罪と認定。「高度の廉潔性を求められる要職にありながら、職務への国民の信頼を裏切った」「多額の収支を隠して政治資金規正制度への信頼を揺るがせた上、虚偽の陳述で国政調査権の行使を妨げており、厳しい非難に値する」と同被告を厳しく批判しました。
量刑についても八木裁判長は、「弁解に終始し、不利な証言をする者をひぼうするなど反省の情は皆無で、刑事責任は相当に重い」とのべ、「虚偽の陳述をしてはばからない被告に刑を猶予するのは相当ではない」などとして実刑判決を言い渡しました。
被告側は、汚職の請託や現金授受などを争いましたが、判決は贈賄を認めた企業幹部らの証言の信用性を認定。さらに、北海道開発局で官製談合が繰り返されていた事実も認定し、鈴木被告が同局幹部らに要求を繰り返し、同被告を支援する企業に公共事業を受注させていた、と認めました。また、林業会社「やまりん」をめぐるあっせん収賄事件でも、政治資金収支報告書に記載された政治献金を「わいろ」と認定しました。
鈴木被告側は即日控訴しました。
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四つの罪 【受託収賄】北海道開発庁長官在任中、北海道開発局発注工事にからみわいろ六百万円を受領【あっせん収賄】官房副長官時代、林野庁への口利きでわいろ五百万円を受領【政治資金規正法違反】資金管理団体の九八年分収支報告書に収入一億円余と支出三千六百万円を記載せず【議院証言法違反】二○○二年三月の衆院予算委で、島田建設の資金提供、モザンビーク水害援助隊派遣延期などで偽証