日本共産党

2004年11月5日(金)「しんぶん赤旗」

ブッシュ再選

米国民の審判二分

イラク戦争巡り対立続く

大統領 「対テロ」名目 継続表明


 【ワシントン=浜谷浩司】票集計のため結果の確定が遅れていた米大統領選挙は三日、民主党のケリー候補が敗北を認めた後、共和党現職のブッシュ氏が勝利宣言を行い、同大統領の再選が確定しました。


 今回の大統領選挙では、ブッシュ政権が国際法をふみにじって強行したイラク戦争についての賛否が最大の争点となり、戦争中でありながら国論は完全に二分。選挙は両陣営の大接戦となり、開票は最後までもつれました。

 ブッシュ大統領は三日午後(日本時間四日未明)ワシントン市内で演説し、「わが軍は敵には正義を、アメリカには名誉をもたらした」と、イラク戦争を称賛。二期目も「あらゆる資源を動員して対テロ戦争を行う」と戦争継続を表明しました。

 これに先立って、ケリー候補は電話で同大統領に再選の祝意を伝えるとともに、選挙戦での亀裂を修復し「団結する必要」を確認。地元ボストンで演説し、開票が紛糾していたオハイオ州でこれ以上争っても勝利する見込みはないとし、「この選挙で勝つことはできない」と認めました。

 一般投票の開票は米東部時間四日午前一時(日本時間同日午後三時)現在(開票率99%)で、ブッシュ大統領五千九百十二万票(得票率51%)、ケリー候補五千五百五十六万票(同48%)、ネーダー候補四十万票(同0・3%)となりました。

 ブッシュ大統領が勝ったものの、同政権に反対票を投じた有権者は半数近くにのぼりました。二期目のブッシュ政権がさらに覇権主義的な行動を強めれば、米国内外の反対世論に直面するのは必至です。

 イラク戦争に反対してきた草の根市民団体は今後もたたかいを続けることにしており、早速三日夕、ホワイトハウス前に約五十人が集まり、運動の継続を誓いました。


米大統領選の結果について

志位委員長が談話

 日本共産党の志位和夫委員長は四日、米大統領選挙結果について次の談話を発表しました。

 一、二日に投票がおこなわれたアメリカ大統領選挙で、ブッシュ大統領が再選された。重要なことは、この選挙戦を通じて、イラク戦争を開始したアメリカで、国民の判断が大きく二分している事実が示されたことである。イラク戦争が大義なしに始めた無法な戦争であったことは、米政府自身の証言によってもすでに明らかになっている。選挙の結果をもってこの真実に目をふさぐことは、許されない。

 一、無法な戦争と占領の結果、イラク情勢は悪化の道をたどり、ひきつづきテロリストに絶好の活動の舞台をあたえている。事態の前向きの打開のためには、国際的な正義と国連憲章にもとづく国際秩序にたちもどり、イラク国民の主権を回復する立場で、アメリカのイラク政策の再検討と転換をはかるべきであり、そのことを避けることはできないはずである。

 一、日本共産党は、国連を中心とした枠組みのもと、イラク国民が真に主人公となった国づくりの道をすすめるよう、独自の努力をつづけるとともに、第二期ブッシュ政権が、イラク政策の根本的な転換に取り組むことを強く求めるものである。



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