2004年11月3日(水)「しんぶん赤旗」
創価大学グループの携帯電話通話記録盗み出し事件で、東京地検特捜部は二日、創価大出身でドコモシステムズ元社員の嘉村英二被告(28)を電気通信事業法違反(通信の秘密侵害)で起訴しました。
同被告は、これまで判明していた女性だけでなく、創価学会批判活動を展開している別の男性の通話記録も盗み出していたことが判明。学会批判者にたいする不正で組織的な情報収集ではないかという疑いを、いっそう濃くしています。
嘉村被告は二〇〇二年三月七日ごろ、東京・江東区のNTTドコモビルで端末機を不正に操作し、都内の女性の通話記録(日時、通話先番号、通話時間など)を入手。翌八日、別の男性の記録を入手し、四月五日ごろには二人の通話記録を盗み出しました。女性は元創価学会員で学会と対立する宗教団体に所属し、男性も元学会員。
嘉村被告は創価大グループによる別件の通話記録盗み出し事件のメンバー。同事件では創価大副学生課長(創価学会全国副青年部長=当時)ら三人が有罪になっています。その裁判で創価学会側は、学会副会長ら十一人の弁護団を編成、「私的で偶発的、一過性の事件」と主張していました。
ジャーナリストや市民らでつくっている事件の真相究明を求める会は「嘉村被告は犯罪の末端に位置する実行犯。二人の被害者とは一面識もなく、彼に二人の存在を教えて犯行をそそのかした者ぬきに事件は成り立たず、地検が勇気を持って全容解明にあたるよう、引き続いて求めていく」としています。