2004年11月3日(水)「しんぶん赤旗」
【ベルリン=片岡正明】経営者側が人件費の大幅削減を求めているドイツの大手自動車メーカー、フォルクスワーゲン社で一日、賃上げと雇用確保を要求して一万二千人が警告ストを実施しました。参加した労働者はブラウンシュワイク工場で三千人、カッセル工場で五千人、エムデン工場で三千人など。警告ストは十月二十九日に続くもの。
フォルクスワーゲン社は国際競争力強化のためとして、二〇一一年までに人件費を30%削減することを目標に、今回の交渉では二年間の賃金凍結、新規雇用者からの賃金水準引き下げ、残業時間の倍加を求めています。このコスト削減ができない場合、三万人の人員削減が必要となると脅しをかけています。
一方、金属産業労組(IGメタル)は4%の賃上げと十万三千人の同社の労働者の雇用確保を当初要求していましたが、その後、雇用確保に重点を置き、賃上げについては、1・5%アップと2%アップの二段階に分けて計3・5%とする妥協案を提示しています。