2004年10月23日(土)「しんぶん赤旗」
【ワシントン=浜谷浩司】イラクのアブグレイブ収容所で起きた収容者に対する虐待事件で、バグダッドで開かれていた米軍法会議は二十一日、アイバン・フレデリック二等軍曹に禁固八年の刑を言い渡しました。
同軍曹はこの事件をめぐって軍法会議にかけられた八人の米兵のうち最も階級が高く、責任を問われる形で刑もこれまでで最も重いものとなりました。
バグダッドからの報道によると、同軍曹は共同謀議や暴行、職務怠慢などの罪に問われていました。半年前に明るみに出た虐待事件で、同軍曹は、イラク人収容者を裸にして性的行為を強要したり、頭に袋をかぶせたうえ電線をつないで小箱の上に立たせたり、軍用犬をけしかけるなどし、その写真が世界に配信されました。
一連の虐待事件をめぐっては、米政府・軍は事件に関与した個々の兵士による犯罪だとの立場です。一方では、収容者から情報を引き出す目的で軍情報機関や中央情報局(CIA)要員などが、看守役の兵士らを使って組織的に行った拷問だとの見方も根強くあります。
フレデリック軍曹も軍法会議で、収容者の尋問にあたった情報要員らから、「殺さなければ何をしてもいい」と虐待を指示されたなどと主張していました。