2004年10月23日(土)「しんぶん赤旗」
二十一日に自民、公明両党が合意した政治団体の献金上限を五千万円とする案は、二〇〇三年の政治資金でみると政治団体の献金全体の一割にしか該当しないことが分かりました。
政治団体の献金の九割は何の規制も受けず、いままで通り献金できる格好です。
〇三年に年間五千万円以上の献金をした政治団体(政党と政治資金団体を除外)の合計額は約二十億円で、政治団体全体(百八十八億円)のわずか10・6%です。
一方で自民党の政治資金団体の国民政治協会(国政協)でみると、年間五千万円以上献金した政治団体は日本歯科医師連盟、日本医師連盟など四団体、八億一千万円です。
これは国政協が受けた政治団体の献金九億九千万円の八割以上にあたります。かりに上限を五千万円にすると四団体からの収入は二億円となり、六億円余減ることになります。自民・公明案は初めからこの部分を規制対象から外しました。
政党と政治資金団体を規制から除くことは、政党本部を通じて政治家個人に迂回(うかい)する献金のルートを温存することになり、腐敗防止策になりません。そのうえ、政治団体の献金に五千万円という上限を設定しても、複数の政治団体で五千万円以下に分割すれば規制にかからず、いくらでも献金が可能です。