2004年10月22日(金)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の紙智子議員は二十一日の参院予算委員会で、政府がBSE(牛海綿状脳症)の全頭検査から、生後二十カ月以下の牛を除外する見直しを進めている問題を取り上げ、「感染牛を食物連鎖から排除するという全頭検査の意義を否定し、継続を求める大多数の国民の声を無視するものだ」と批判しました。
紙氏は、「店頭に検査済みとそうでない牛肉が並ぶことになれば、混乱、偽装の可能性も否定できなくなる」と指摘。小泉首相はまともに答えず、紙氏は「現場では心配されている。そのことも知らないで無理に強行すべきでない」と強調しました。
紙氏は、同日から始まった米国産牛肉の輸入再開に向けた局長級協議で焦点の牛の月齢判定方法に言及。米国のBSE検査対象は全体の1%未満しかなく、特定危険部位の除去も生後三十カ月以上の牛に限るなど、きわめてズサンなものです。紙氏は、米国側が主張する肉質、骨格による判定は、政府の訪米調査団に担当者を派遣した農水省も科学的根拠に乏しく受け入れがたいとしたものであることをあげ「米国側の主張を科学的で受け入れ可能なものといえるのか」とただしました。
小泉首相は指摘には答えられず、「科学的知見に基づいて」と繰り返しました。紙氏は、「米国産牛肉の輸入再開に向けたどんな合意もするべきでない」とのべました。