2004年10月21日(木)「しんぶん赤旗」
【ベルリン=片岡正明】米国のゼネラル・モーターズ(GM)が欧州子会社三社の従業員一万二千人の大規模解雇を計画しているのに対し、十九日、三子会社の十カ国の工場労働者が一斉に抗議行動を行い、計五万人が参加しました。
自動車生産台数で世界一のGMは、人件費削減を理由に子会社オペル(ドイツ)、サーブ(スウェーデン)、ボグゾール(英国)の従業員六万四千人のうち一万二千人を解雇する計画です。
約一万人が解雇対象となるドイツでは、オペルの労働者がボッフムで二万人、リュッセルハイムで一万四千人、カイザーズラウテルンで三千人がデモ行進しました。
それぞれ数百人規模の解雇が提案されている英国のボグゾール工場で七千人、スウェーデンのサーブ工場で五千五百人が一時間の職場放棄と抗議の職場集会を開催。スペイン、ベルギー、ポルトガル、ポーランド、オランダでも労働者が抗議行動に参加しました。
ボッフムでは午前に始まったデモで二万人が「仕事を残せ」と声を上げながら市内を行進。オペル全事業所評議会(労組とは異なる企業ごとの労働者代表組織)のクラウス・フランツ議長が「GMの経営者が欧州をブルドーザーのように踏みつぶせると思ったら間違いだ。たたかいと交渉を続ける」と語りました。フォルクスワーゲンやポルシェ、ダイムラークライスラーなどの他自動車企業の労働者や、石炭産業や鉄鋼機械の労働者も連帯して抗議行動に駆け付けました。
また、オペルのボッフム工場での一万人の職場放棄抗議行動は十九日、六日目を迎えました。