2004年10月20日(水)「しんぶん赤旗」
【ベルリン=片岡正明】経営者側が一万人の大量解雇を画策しているドイツの自動車メーカー・オペルのボッフム工場の労働者一万人の職場放棄行動は十八日、五日目になり、ベルギーなど他の工場の生産ラインにも影響が出始めました。十九日には親会社の米ゼネラル・モーターズ(GM)に関係する全欧州の労働者が国を越えて統一抗議行動をおこないます。
世界一の自動車産業GMは、五億ユーロの人件費削減を主張し、欧州の子会社オペル(ドイツ)、サーブ(スウェーデン)、ボグゾール(英国)の従業員六万四千人のうち一万二千人を解雇する計画を進めています。うち一万人がドイツのオペル従業員です。
これに対しドイツの金属労組(IGメタル)とオペルの事業所評議会(企業ごとの労働者の利益を代表する労組とは別の組織)は大量解雇に反対して抗議行動を開始しました。
ボッフム工場では車台生産ラインが止まったため、オペルのベルギー、英国、ポーランドなどの他工場にも影響が出てきました。労働者側は大量解雇計画を撤回しないうちは職場放棄を続けると表明しています。
十八日には、リュッセルハイムでオペルの労使交渉が正式にはじまりましたが、双方の歩み寄りは今のところありません。
十九日の欧州統一行動にはGM三子会社の工場労働者のほか、独、英、スウェーデン、スペイン、ベルギー、ポルトガル、ポーランドの七カ国の労働者が参加する予定です。