2004年10月20日(水)「しんぶん赤旗」
米国の核兵器問題情報誌『ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ』十一・十二月号によると、米国は欧州全体で四百八十発の核爆弾を維持する一方で、欧州七カ国の十三カ所の軍事基地にB61型核爆弾八百六十発を格納できる貯蔵庫二百十五基を建設していることが明らかになりました。
同誌によると、このうち六カ所では現時点で核兵器は撤去されているものの、再配備がいつでも可能な態勢が維持されています。これは、世界の核兵器状況を系統的に監視しているシンクタンク、天然資源防衛評議会(NRDC)が米情報公開法により入手した文書に基づき明らかにしました。
NRDCは、米国が現在、六カ国の八基地に約四百八十発の核兵器を配備していると推定。配備されている核兵器はB61―3、B61―4、B61―10の三種だとしています。貯蔵庫が建設されたのは、ベルギー、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、トルコ、英国。
核兵器は、航空機格納庫内の特別に強化された地下貯蔵庫にB61型核爆弾を格納する「兵器貯蔵安全システム」(WS3)計画にそって配備。各貯蔵庫には最大で四発の核兵器が貯蔵されます。