2004年10月18日(月)「しんぶん赤旗」
【関連】政治資金 抜け穴規制はだめ/テレビ朝日系番組 小池政策委員長が主張
日本共産党の穀田恵二国会対策委員長は十七日、NHK「日曜討論」に出演し、他党の国会対策委員長と「政治とカネ」や自衛隊のイラク派兵延長などの問題について討論しました。
企業・団体献金 |
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日本歯科医師連盟(日歯連)をめぐる「政治とカネ」の問題では、橋本龍太郎元首相らの証人喚問がテーマに。自民党の中川秀直国対委員長は「(政治倫理審査会の)実現につとめたい」、公明党の東順治国対委員長は「(証人喚問は)全国民が注視している中で査問を受けるようなもので、人権問題というところに行きかねない」として、まずは政倫審の場で、と述べました。
穀田氏は、「『どんな責任があるのか』と語る橋本氏が、いわば『密室』の政倫審で何を語るというのか。国民の前で堂々と質疑をすることが証人喚問の大事なところだ。政治家、自民党の国民政治協会の関係者、日歯連の三者を証人喚問して真実を明らかにすべきだ」と主張しました。
政治団体間の献金に上限を設けることについて中川氏は「政党や政党の政治資金管理団体は含めるべきではない」、迂回(うかい)献金の規制については「簡単ではない」との考えを示しました。東氏は「政党に献金する場合までも規制すると政治活動の自由を制限しかねない」などと述べました。
穀田氏は、献金額の上限を設定しても迂回献金の規制には役立たないうえに、政党に対する禁止をしないのではまったく意味がないと批判。「政治活動の自由というが、お金で政治を動かすことと自由を履き違えてはだめだ。規制と抜け道のイタチごっこで、政治の不祥事はもういいかげんにしろと言いたい。いよいよ企業・団体の献金を禁止するところに踏み込む必要がある」と強調しました。
東氏は「政治にはお金がかかる。民主党にも十億円の企業団体献金を集めようという判断が出てきている」と発言。民主党の鉢呂吉雄国対委員長も「企業団体献金は禁止できない」との考えを示しました。
イラク問題 |
米国調査団が「イラクは大量破壊兵器を保有せず」という最終報告書を発表し、イラク戦争を支持した小泉首相の責任が問われる問題について、中川氏は「現にかつて使用し、保有していた。間違っているとは思わない」と開き直りました。穀田氏は、「かつて保有していたという問題ではない。ブッシュ大統領は開戦の当時持っていると断定して戦争に踏みこみ、小泉首相は『大量破壊兵器がある』と断定してイラク戦争を支持し、『いずれ見つかる』と言って自衛隊を派兵したことが問題だ。(報告書で)九一年以降ないと認めたことが大事だ」と指摘しました。
東氏が「イラク戦争の問題と、いま行われている人道復興支援活動はきちんとわけて議論するべきだ」と述べたのに対し、穀田氏は「戦争を起こしたことが問題。人道復興というが、亡くなった人の命は復興しない。大量破壊兵器があると断定して戦争を始めた責任が問われている」と批判しました。
自衛隊の派兵期間(十二月十四日まで)の延長について、穀田氏は「イラクでは掃討作戦という名で、米軍による無差別な攻撃が行われ、新しい戦争という状況だ。こういう多国籍軍の一員として自衛隊が事実上行動しているというところに批判が集まっている」と述べ、「撤退以外にない」と主張しました。