2004年10月17日(日)「しんぶん赤旗」
北海道夕張市で十六日、「北炭夕張裁判和解10周年・新鉱災害23周年夕張のつどい」が開かれました。災害で夫や息子を奪われ、会社と国の責任を追及して裁判を行った遺族・原告団や、裁判を支援した人たち約百五十人が参加。夕張新鉱災害と裁判の意義について語り合いました。
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北炭夕張新鉱のガス突出災害(一九八一年十月十六日)では九十三人が死亡しました。災害後、会社は夕張炭鉱を閉山、労働者全員を解雇しました。十一人の遺族、二十九人が北炭と国の責任追及と賠償を要求して提訴。十一年の裁判の末、北炭が一億三千万円を支払い和解が成立しました。
つどいでは、夕張裁判で弁護団長を務めた広谷陸男弁護士が「夕張裁判はなにを明らかにしたか」と題して講演し、北炭夕張新鉱のガス突出災害が異常な保安無視による石炭増産体制の中で引き起こされたことを詳細に説明。北炭と、これを許した国の責任を追及した夕張裁判で、災害の原因を明らかにし、勝利の和解をかちとった意義は大きいと語りました。
また、主催者を代表してあいさつした高崎暢(とおる)弁護士は、過労死と労働災害が多発する現代社会で、人間として生きられる社会をつくるため夕張裁判の教訓を今につなぐことが大切だと述べました。
この後のレセプションでは、元原告と全国から集った支援の人たちが交流。夕張裁判の日々と近況を語り合いました。