2004年10月16日(土)「しんぶん赤旗」
|
東京・三宅島の噴火災害に伴う全島避難から四年余をへて、来年二月に村民の帰島をめざす三宅島の現状と帰島に向けた課題を把握するため、日本共産党の調査団(団長・山口富男衆院議員)は十五日、三宅村を現地調査しました。
調査には山口氏のほか、ふるだて和憲、清水ひで子両都議らが参加しました。
一行は、島唯一の特別養護老人ホームや、帰島後の来年四月に再開が予定される三宅中学校、伊豆地区の脱硫装置付き宿泊施設などを訪問。三宅中学校の黒板には二〇〇二年に一時帰島したとき、子どもたちが書いた「帰ってきたぞ」の文字がくっきりと残っており、子どもたちの思いが胸に迫ってきました。
|
十五日、東京・三宅島を訪れた日本共産党の調査団の一行は、都と村の担当者の案内を受けて、泥流で室内まで埋まった家を視察し、「住宅本体の再建にも行政の手厚い支援が必要だ」と語り合いました。
現在も高濃度の火山ガスが噴出している島東部の三池地区では、火山ガスでトタン屋根が腐食し骨組みだけになった家屋や、さびてぼろぼろになり底が抜けた自動車などを調査しました。
島西部の伊ケ谷地区では、体育館に廃棄される冷蔵庫千二百台が保管されています。「帰島したら、さらに多くの廃家電が出る。行政の抜本的な措置が必要だ」と話し合いました。
|
島では、畑や民宿などの産業基盤も損傷がひどく、村が九月に開いた説明会では「どうやって食べていけばいいのか、展望が見えない」などの声があがっています。
レザーファンやアシタバなど島の名物を育ててきた畑には雑木が生い茂り、パイプハウスは鉄パイプがさびてばらばらに。足を踏み入れると、パイプがパリパリ音を立てて粉々になりました。
|
調査を終えた山口団長は「四年間の全島避難という前例のないケースで、既存の措置の積極的な活用とともに、新たな立法措置などの検討を含め、村民の要望にこたえる思い切った措置を取ることが必要だ。村の調査でも村民世帯の七割が帰島を希望しているなか、村民の方々が安心して生活を立て直していくためにも、国と都のいっそうの支援が強く求められていると痛感しました」と語りました。
調査にはほかに、徳留道信党都副委員長、寺本恒夫三宅村議、池田真理子衆院比例代表東京ブロック候補、和田雅光・緒方靖夫参院議員秘書、村民が多く避難している自治体の区市議らが参加しました。
記 事
東京都 川井 亮記者
写 真 橋爪拓治記者