2004年10月14日(木)「しんぶん赤旗」
二人の女性の勇気ある告発と、多くの人々の支援がついに地検を動かしました。
東京地検の嘉村容疑者逮捕で二つの問題が浮上しました。(1)警視庁が不問にした一連の行為が犯罪であることを証明した(2)通信の秘密侵害が、創価学会関係者の組織的犯罪である疑いが濃くなった――の二点です。
事件は別の事件を通して判明しました。創価大剣道部監督(当時)が、女性友達の素行調べを同大副学生課長に依頼し、同副課長の指示で嘉村容疑者が女性の通話記録を盗み出した事件です。
その捜査の過程で佐藤さんらの通話記録も盗んでいたことが判明。二人は警視庁の調べに応じ、福原さん母子は調書もとられています。
ところが警察は、二人の調べを突然中止。剣道部監督の女性問題だけを立件しました。立件された事件で創価学会側は学会副会長など十一人もの弁護団を編成。法廷では事実関係を一切争わず、ひたすら「私的で一過性の事件」と主張し、一回だけの公判で有罪が確定。佐藤さんらの事件はヤミに葬られようとしました。
二人の告発を受け、ジャーナリストの斎藤貴男氏ら五人が呼びかけ人となって「真相究明を求める会」を結成。一万人をこす署名を地検に届けました。
焦点は第二の問題。嘉村容疑者は、佐藤さんも福原さんも知る立場にありません。彼に二人の女性の存在を告げた(犯行を指示した)のは誰か。その者こそ、事件の主犯格だからです。
検察が、その真相に迫る勇気を持ちえるかどうか、そして警察はなぜ、この事件をヤミに葬ろうとしたのかの解明が問われています。(柿)