日本共産党

2004年10月11日(月)「しんぶん赤旗」

UFJ銀

独自用語使い隠ぺい

「ヤバファイル」などと分類


 UFJ銀行(沖原隆宗頭取)による金融庁の検査妨害事件で、検査に応対した同行審査第五部で、重要書類の移動などは執務環境の快適化を意味する「CS」、隠ぺいしたデータファイルは「ヤバファイル」と呼んでいたことが十日までに関係者の話で分かりました。東京地検特捜部は、押収した段ボール五百六十箱分以上の資料の分析を進め、組織的な妨害工作の全容解明を進めます。

 関係者によると、審査第五部は昨年八月二十八日に立ち入りが始まった金融庁の特別検査に先立ち、コンピューター上の大量データを廃止された部署のコンピューターサーバーに移動し、隠ぺいしました。

 サーバーは行内で「審査5 O(オー)」と呼ばれており、大阪にありました。隠されたデータは融資先企業の財務状態悪化を示し、債権者区分の判断に重大な影響を与える内容だったとされます。このため、部内では、検査官に発見された場合「やばい(まずい)」との意味で、これらのデータファイルを「ヤバファイル」と呼んでいたといいます。

 「CS」は、もともとは「快適な執務環境をつくる」という意味で用いられる行内用語でしたが、同部の会議では「CS徹底」として、隠ぺいを指示していました。

 これに基づき、検査前には、百箱以上の重要資料が東京本部十五階の同部から運び出され、三階の書庫に隠されていました。

 こうした隠ぺいは、同部部長だった稲葉誠之元執行役員が「検査にきちんと対応できるようにしておけ」と指示。これを受け、元次長が「夏休みの間に片付けておけ」と命じていました。



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