2004年10月11日(月)「しんぶん赤旗」
みどり いろんな職種で働く女性が増えているけど、仕事の安全性は大丈夫なの。
陽子 母性を保護するために、トンネルなどの坑内労働は労働基準法で禁止されているわ。
みどり 女性が三十キロ以上の重いものを運ぶ作業や鉛、水銀などの有害物質、粉じんを発生する場所での労働も禁じられているわね。
陽子 そうよ。
みどり ところが、女性の坑内労働や日常的に重いものを運搬する、その規制を見直す動きがあるんだって?
陽子 厚生労働省は女性の坑内労働や母性保護について検討する「専門家会合」(略称)をつくった。
みどり どうして、見直しをしなくてはいけないの。
陽子 東京都が政府にたいして、女性の雇用の機会均等と職域の拡大のために、トンネル工事の作業で女性が坑内に入れるように法を改正し規制を外すよう申し入れたことが一つのきっかけといわれているわ。
みどり いま行われている男女雇用機会均等法の見直しの作業と並行して母性保護の規制も見直すというのね。
陽子 専門家会合では科学技術の進歩を踏まえて「専門的見地(医学、労働衛生など)の面から検討する」といっている。
みどり 重量物の取り扱いも有害物質の発散する場所での仕事も女性にとって妊娠や分娩(ぶんべん)に影響を与えるから、規制するのは医療など専門家の常識になっていると聞いているけど。
陽子 一九九七年に均等法が見直されたとき、一緒に労基法が改悪されたわね。女性の深夜・休日労働の制限が外されてから健康不安や月経不順、下腹部痛を訴える女性が増えているのよ。
みどり 坑内労働、重量物の取り扱い業務などの規制が取り払われると、妊産婦以外では女性の労働の安全性を確保する就業規制がいっさいなくなってしまうわね。
陽子 母性破壊、健康被害がいっそうすすむと思うわ。
みどり 安全を守る規制を撤廃するのじゃなくて、女性がより安全に働けるように見直すべきよね。
〔2004・10・11(月)〕