2004年10月10日(日)「しんぶん赤旗」
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第二次小泉改造内閣発足後初の論戦となる第百六十一臨時国会が十二日から始まります。
焦点の一つは、日本歯科医師連盟(日歯連)の自民党旧橋本派へのヤミ献金事件・迂回(うかい)献金問題の徹底解明と腐敗政治の根絶。ヤミ献金事件の徹底解明のため橋本龍太郎元首相らの証人喚問は欠かせません。
同時に問われるのが、金権腐敗政治の大本にある企業・団体献金にたいする姿勢です。
小泉首相は、業界の政治団体から政党の政治資金団体への献金を規制せず、迂回献金を野放しにする姿勢。民主党は企業・団体献金容認の同じ土俵の上で、「規制」を求めています。日本共産党は、腐敗政治の根を断つうえで企業・団体献金禁止に踏み込むことがいよいよ求められると主張しています。
改悪年金法が十月から施行されましたが、国民の批判は根強く、保険料値上げへの怒りが重なっています。「年金財源」の名による定率減税廃止や消費税増税がねらわれており、年金問題は引き続き国民的な焦点です。
自民、民主、公明の「三党合意」に基づく協議の早期開始を求める与党にたいし、消費税増税を打ち出している民主党の対応も問われます。
日本共産党は、改悪年金法の実施中止と、最低保障年金制度など安心できる年金を消費税増税に頼らずに築く道筋を掲げて論戦にのぞみます。
介護保険の改悪はじめ来年度予算で削減がねらわれる生活保護など社会保障の改悪を許さない課題も重要です。
イラクや在日米軍基地問題も重大な争点。「大量破壊兵器保有」というイラク戦争の最大の口実が破たんしても、小泉首相は「判断は正しかった」との態度にしがみつき、自衛隊の派兵延長をねらっています。
米軍基地問題では、政府・与党が国・沖縄県内たらい回し路線に固執するもとで、普天間基地の即時撤去、辺野古への新基地建設反対などを掲げる日本共産党との対比が鮮明になっています。
消費税増税、改憲問題という「二大政党」がすすめる二大悪政にたいして、国民の立場から立ち向かう論戦も注目されます。
小泉首相が「改革の本丸」と称する「郵政民営化」や、地方税財政にかんする「三位一体改革」も重要な争点です。
「郵政民営化」は、銀行、生保業界などの要求にこたえて郵便ネットワークを解体し、国民サービスを後退させる本質がいっそう明らかになっています。「三位一体改革」は、義務教育費国庫負担金の削減など国民生活や地方財政に大きな影響を及ぼす本質が明らかになるにつれて、矛盾が広がっています。
連続する豪雨・災害対策、不安定で劣悪な労働条件に苦しむ若者の雇用問題、BSE(牛海綿状脳症)の全頭検査緩和問題など国民の切実な要求をめぐる対策も大きな課題です。