日本共産党

2004年10月4日(月)「しんぶん赤旗」

閣僚、副大臣らに説明責任

森派の「もち代」不記載

旧橋本派のヤミ献金

元閣僚秘書 “国民は納得しない”


 所属議員に配る盆暮れの手当(「氷代」「もち代」)の支出を記載せずに政治資金規正法違反の疑いがある自民党森派。日本歯科医師連盟(日歯連)からの一億円ヤミ献金が同法違反で起訴された旧橋本派。この両派から小泉首相をのぞいて総計二十八人の閣僚、副大臣、大臣政務官が第二次小泉改造内閣に登用されました。これらの政治家にはそれぞれ不記載やヤミ献金との関係などで特別の説明責任があり、きたる国会での対応が問われています。

 第二次小泉改造内閣に登用された閣僚、副大臣、政務官は、森派(清和政策研究会=会長・森喜朗元首相)十三人(表1参照)、旧橋本派(平成研究会)十五人。

5年間記載せず

 このうち森派については、所属議員への「もち代」「氷代」などの支出(各二百万円程度)、年間一億円前後を少なくとも二〇〇三年までの五年間にわたり政治資金収支報告書に記載していなかった疑惑が本紙報道(九月十日付)で明るみにでました。

 森派関係者によると「もち代」などの対象となっているのは衆院当選三回生までと参院一回生。この基準でいえば、副大臣の谷川、塩谷、蓮実の三氏と政務官の西銘、下村、山本、中野、伊達の五氏は〇三年までの五年間に支給対象でした。これらの議員は、自分自身「もち代」などを受け取ったかどうか明らかにできるはずで、国会での答弁が注目されます。

 もし受け取ったことを認めれば政治資金規正法で禁じられている「不記載」、受け取っていないと答えれば「虚偽答弁」の疑いがうまれます。

 自民党元閣僚の秘書は「小泉首相は日歯連の問題にしても人ごとのようにいっている。政治資金の透明性をいうなら、まずはみずからの出身派閥をめぐる疑惑をきちっと明らかにしなくては国民は納得しないのではないか」と話します。

表1・森派出身の大臣、副大臣、大臣政務官(当選回数)

 細田博之官房長官(衆院5回)

 南野知恵子法相(参院3回)

 町村信孝外相(衆院7回)

 中山成彬文部科学相(衆院5回)

 小池百合子環境相(衆4回、参1回)

 谷川秀善外務副大臣(参院2回)

 塩谷立文部科学副大臣(衆院4回)

 蓮実進国土交通副大臣(衆院4回)

 西銘順志郎内閣府大臣政務官(参院1回)

 下村博文文部科学大臣政務官(衆院3回)

 山本明彦経済産業大臣政務官(衆院2回)

 中野正志国土交通大臣政務官(衆院2回)

 伊達忠一国土交通大臣政務官(参院1回)


76人に「もち代」

 他方、旧橋本派は日歯連からの一億円ヤミ献金の一部を二〇〇一年暮れの「もち代」に使った疑いが浮上しています。

 一億円は橋本龍太郎元首相、青木幹雄参院議員会長ら旧橋本派幹部が二〇〇一年七月二日、東京・赤坂の高級料亭で日歯連側から小切手で受領。ヤミ金として使われました。

 平成研究会の〇一年分の政治資金収支報告書によると、同派は同年十二月二十一日から二十六日にかけて、所属国会議員など計七十六人に「もち代」を支給。小泉内閣では尾辻厚労相ら三人を除き伊藤、棚橋の両大臣、副大臣で林田、滝、常田、岩井の四氏、大臣政務官では河井、倉田、段本、小泉、森岡、岩崎の六氏の計十二人がふくまれています(表2参照)。金額は河井氏の百万円以外は、二百万円。これら十二人は、受領した「もち代」と日歯連マネーとの関係などについて説明責任があります。

表2・2001年末に「もち代」を受け取った旧橋本派の閣僚、副大臣、大臣政務官

 伊藤達也金融担当相

 棚橋泰文科学技術担当相

 林田彪内閣府副大臣

 滝実法務副大臣

 常田享詳農林水産副大臣

 岩井国臣国土交通副大臣

 河井克行外務大臣政務官

 倉田雅年財務大臣政務官

 段本幸男財務大臣政務官

 小泉顕雄文部科学大臣政務官

 森岡正宏厚生労働大臣政務官

 岩崎忠夫国土交通大臣政務官



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