2004年10月3日(日)「しんぶん赤旗」
イラクで武装集団に拉致され、九月二十八日に解放された二人のイタリア人女性の一人、シモーナ・トレッタさんは、イタリア紙コリエーレ・デラ・セラ紙一日付のインタビューで、イラク人には米軍や「かいらい政府」とたたかう権利があると語り、イタリア政府に対し、イラクに派遣している部隊を撤退させるよう求めました。イラク派兵に固執する与党政治家から、「日本でも議論されたように、帰国費用を本人に支払わせればいい」と非難されるなかでの発言です。
トレッタさんは「私は拉致される前にも(撤退すべきだと)言ったが、今もそれを繰り返す」と述べ、来年一月に予定される選挙には「正当性がない」と言いました。
トレッタさんはイラクに戻る決意ですが、「米国の占領が終わるまで待つ」としています。また、「テロと抵抗を区別する必要がある。抵抗は正当であり、民間人の拉致には反対する」との立場を表明しました。
「解放のために身代金が払われたなら悲しい。しかし、彼ら(武装集団)はきわめて政治的、宗教的なグループであり、最終的には私たちを敵ではないと確信した」と事件を振り返りました。
人道支援団体「バグダッドへの懸け橋」の活動家であるトレッタさんとシモーナ・パリさんは九月七日に拉致され、三週間後に解放されました。