2004年10月3日(日)「しんぶん赤旗」
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台風21号による影響で八百戸近くの住宅が床上・床下浸水した兵庫県上郡町に二日、日本共産党西播地区委員会のよびかけにこたえて、党員たちがボランティアとして駆けつけ、救援活動に奮闘しました。
豪雨ではんらんした千種川沿いの上町地区では、汚泥のにおいがたちこめ土ぼこりが舞うなか、住民が水につかった家財道具の片づけや消毒作業に追われていました。
「日本共産党」の腕章をつけた党員の人たちは、住民や町のボランティアとともに、床下の泥をかき出したり、ゴミを運ぶなど力仕事に汗を流しました。
床上浸水の被害を受けた女性(78)は「年寄り二人暮らしなので、重たいものはとても運べません。きたないとこやけど、やっぱり家がええわ。ボランティアの方にきてもろてほんまに助かります」と、疲れた顔に笑みを浮かべました。
孫と後片づけをしていた女性(78)は「畳の上に泥が十センチも積もっていました。家電もみんなダメになって、毎日コンビニ弁当です。早く普通の生活に戻りたい」と話していました。
朝七時に自宅を出て救援に駆けつけた原田薫さん(66)=市川町=は「予想以上に被害がひどくて驚きました。まだまだ人手が足りません。できる限り住民の要望にこたえられるように頑張りたい」と語っていました。
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台風21号の集中豪雨で町の大半が水没した三重県海山町。被災から三日目の二日、時折強い雨に見舞われながら、けん命の復旧作業が続いています。日本共産党三重県委員会は海山町内に「日本共産党・民主団体、ボランティア相談・受付所」を開設しました。「日本共産党」ののぼり旗をたてた大テントが注目を集めています。
朝一番、軽トラックで駆けつけたのは党多気町議の川辺仁造さん(65)と、紀勢町議の大東政司さん(65)の二人。阪神大震災の復興ボランティアも経験した川辺町議は「ニュースでみて、これはえらいことだと思いました。人が困っているときにどうするのか、党員の原点が問われます」と汗を流していました。
同町相賀に一人で住む家崎栄さん(91)は、足が少し不自由です。床上浸水一メートルの被害を受けました。「ここに住んで六十年になるが、こんな水害ははじめて。あっというまに水が塀を越えてきて、腰までつかってしまいました。やっとのことで二階に上がると周りが沼のようでした」と恐怖を語りました。
家崎さん宅で水にぬれた家具を捨てたり、床板をはがすなどの作業をしたボランティアの世古雅一さん(45)=むろ医療生協専務=は「組合員さんもまだ連絡のとれない人がいて心配です。水害は一瞬でこれだけの被害がでるんですね。手が足りない実情がよくわかった。今後も来たい」とはなしていました。
この日、むろ医療生協から十二人が陸路が不通になっている隣の尾鷲市から臨時連絡船で駆けつけました。津市の医療生協も七人がボランティアの要請に応じ奮闘しました。
海山町では一日夜現在で、七十一人が避難所生活をおくっています。ほとんどの家が一階の台所や風呂場などの生活部分を被災していて、町では一日二千食の炊き出しを供給しています。
町のボランティアセンターには二日、約五百人が登録し、泥のかき出しや家財道具の廃棄など活躍しました。
台風21号で記録的な豪雨に見舞われた三重県津市では、日本共産党の真弓俊郎前県議と豊田光治市議が連日市内を回って被災状況を調査、被災者を激励しています。
もともと低地で水はけの悪い同市では、三時間で二七二ミリという猛烈な雨のために、各地で一気に水があふれ、家屋全壊一棟、床上浸水三百世帯、床下浸水千八十八世帯という大きな被害が出ました。
後片付けに忙しい被災住民は、真弓氏らの訪問に「あんたとこも忙しいのによく来てくれた」と歓迎し、大量に出ているごみの収集や、早急な排水対策など行政への要望を次々と訴えています。真弓氏らの調査で、冠水した道路を車が通って波を起こしたことが、少なくない家や商店で浸水被害を拡大したことも明らかになり、豪雨時の交通規制が大きな課題になっています。