2004年10月1日(金)「しんぶん赤旗」
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台風21号により兵庫県では、床上浸水六百六十五棟、床下浸水二千三百八十九棟(三十日午後五時現在、県発表)の大きな被害が出ました。
県内で最も多い二百二十三棟が床上浸水した上月(こうづき)町。町内を流れる千種川と佐用川の中州にあたる久崎地区では、住宅の約八割が浸水被害に遭い、住民は眠れぬ夜を過ごしました。
「あっという間に首のところまで水がきた。急いで二階に逃げて外を見たら、道が濁流になっていた」。一夜明けた三十日、二つの川の合流地点付近に住む小寺優さん(59)は、青ざめた様子でこう語りました。家の中は壁土がはがれ落ち、柱の中ほどにくっきり水の跡が残っています。
商店街も全滅―。食料品を売る商店の主人(45)は「商品も冷蔵庫も全部水につかって、被害総額は五、六千万になると思う。片付けのめどさえたたない」と肩を落とし、寿司屋を営む服部正剛さん(66)は「こんなひどいのは初めて。予約も入ってるのに…。行政には、無利子の融資をしてほしい」と訴えました。
日本共産党の鍋島裕文町議は、朝から町内を駆け回って住民を激励し、午後の臨時議会では粗大ゴミの回収や消毒の手配、畳の支給などをいち早く求めました。「引き続き住民の要望を聞いて、一刻も早く支援策に反映させるよう頑張りたい」と語っています。
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日本共産党の佐々木憲昭衆院議員は三十日、台風21号による豪雨で床上浸水や水死者を出した三重県海山町を訪れ、前日から現地に入っている同党瀬古由起子前衆院議員、岩見雅夫、近沢チヅル両海山町議と合流し、被災住民から被害の実態などを聞き激励しました。塩谷龍生町長とも懇談し、要望にこたえ協力していきたいと語りました。
床上浸水にあった相賀地域は、海のすぐそばで周りより一段高く水害などは考えられなかったところ。住民は「六十五年生きてきたけどこんな水害ははじめて」「あっという間にひざから肩まで水が上がった」「床下から水があふれて畳が浮いた」と首のあたりを手でさしたりしながら驚きを語ります。
佐々木議員らが「大変ですね。がんばってください」と励ますと「遠くからありがとうございました。うれしいです」といいます。食料の炊き出しも行われていますが高齢者の一人暮らしの世帯も多く、「足が悪くて取りにいけない」との声も聞かれました。
町長は懇談で「真っ先に来ていただきありがたい」と感謝を述べ、県が災害救助法を適用したこと、水につかってしまった家や車などの被害の大きさ、住民をどう救済していくかなど話し合いました。
佐々木議員は、住民にとって想像もできなかった災害とした上で「今後、生活と営業の再建が重要な問題になる。その時に県・国がしっかりと支援することが大事。住民の要望などをもとに支援を実現するため力を尽くしたい」と語りました。