2004年9月28日(火)「しんぶん赤旗」
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残業したのに、残業代が払われない労働基準法違反のサービス残業(ただ働き)の是正がすすんでいます。二〇〇三年四月から今年三月までの一年間で、約二百三十九億円にのぼることが二十七日、厚生労働省の発表でわかりました。
この一年間に全国の労働基準監督署がサービス残業の是正を指導して、百万円以上の割増賃金を支払った企業は千百八十四企業で、対象労働者数は十九万四千六百五十三人。支払われた残業代は二百三十八億七千四百六十六万円にのぼります。
業種別では、製造業、商業、金融・広告業の順に是正額が多くなっています。
日本共産党は、一九七六年に国会で初めてサービス残業問題をとりあげて以来、二百四十回をこえる質問で政府を追及し、サービス残業の根絶と働くルールの確立を求めてきました。
厚労省が重い腰をあげ〇一年四月、サービス残業根絶のための通達を、〇三年五月にも要綱・指針を出してきました。
こうしたなかで、〇一年四月から〇三年三月までの二年分の是正企業数の平均が年間五百八企業、支払い額の平均が七十六億九千万円だったのに比べ、企業数で二・三倍、支払い額で三倍に増えています。
是正は依然として氷山の一角ですが、「サービス残業を許さない」という世論が広がり、労働者と家族が勇気をもって労基署に告発する運動が大きく前進していることを示しています。