2004年9月24日(金)「しんぶん赤旗」
米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)に代わる新基地建設予定地の名護市辺野古沖で二十三日、環境保護団体によるサンゴ礁の生育調査が行われました。主催したのは、コーラル・ネットワーク、ジュゴンネットワーク沖縄、ジュゴン保護基金委員会の三団体です。
辺野古海域での調査は、一九九八年から行われ、今回で六回目です。同海域のサンゴ礁は、海水温上昇などでサンゴがひん死の状態になる白化現象が九八年に発生し、被度が5%以下に落ち込んでいます。
この日の調査は、リーフチェック本部(米国)が定める国際基準で実施され、海洋の専門家と地元のダイバーら十三人が、水深五メートルと十メートルに、おおよそ並行に引かれた約百メートルの定点観測ポイントで、サンゴ礁の状態を調べるとともに、海底の地質やサンゴ礁に生息している魚や貝、ウニ類などを数えました。
調査を指揮したリーフチェックコーディネーターの安部真理子さん(38)は「白化現象で死んでしまったサンゴの上に小さなサンゴが育っており、緩やかな回復傾向にある。余計なストレスを与えなければ元通りに回復する」と感想をのべ、同海域で国が強行しようとしているボーリング(掘削)調査が実施されれば、「土砂がサンゴを覆ってしまい、悪影響がある」と懸念を示しました。
調査に参加したボランティアのダイバーたちは、「親指ぐらいの小さなサンゴがたくさんあった。一年後の調査でどれだけ成長しているのかが楽しみ」などと話していました。