2004年9月19日(日)「しんぶん赤旗」
【ベイルート=小泉大介】イラク戦争とイスラエルによるパレスチナ占領に反対し、大企業が主導する経済のグローバル(地球規模)化を是正する方針を探る「国際戦略会議」が十七日、レバノンの首都ベイルートで三日間の日程で開幕しました。
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会議には、昨年二月に世界で一千万人以上が参加したイラク戦争反対行動を呼びかけた英国の「戦争ストップ連合」や米国の「平和と正義のための連合」など各国の反戦組織や非政府組織(NGO)の代表約三百人が参加。イラクで米軍撤退と主権回復にむけて活動しているNGOから二十人以上の代表もかけつけました。
日本からは「アタック・ジャパン」など、イラク戦争反対や自衛隊派兵反対運動で積極的な役割を果たしている「ワールド・ピース・ナウ・ジャパン」を構成する組織、個人が参加しました。
開会式であいさつした南アフリカ反戦連合のサリム・バリー氏は「現在、世界では数百数千万の人々がイラクをはじめこの世界を破壊する米帝国主義とたたかっている。米国は確かにスーパーパワーだが、世界には草の根でこれとたたかうもう一つのスーパーパワーがある」と強調。
「パレスチナ人民擁護のための国際市民キャンペーン」のナフラ・チャハル氏は「米国の誤った政策を正すため、共産主義者もイスラム教徒もともに共同を」と呼びかけました。
またグローバル化の影響を調査しその克服にむけ行動する「フォーカス・オン・ザ・グローバル・サウス」のワルデン・ベロ氏は初日の全体討論で発言。「米国の力はブッシュ大統領が昨年五月にイラクでの勝利を宣言した当時に比べ弱まっている」とする一方、「われわれはここに自らの力を誇るためにいるのではない。最も重要なのはわれわれの弱点を克服する方法を生み出すことだ」とのべ、国際反戦行動のさらなる発展の必要性を訴えました。
今回の会議は、イラク戦争強行と占領継続の状況下、「反対運動はいまなにをすべきか」「イラクの抵抗運動といかに連帯するか」「国連の役割はなにか」などをテーマに討議し、具体的行動計画を含めた最終声明を採択する予定です。