2004年9月16日(木)「しんぶん赤旗」
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溝上知親七段(27)と坂井秀至六段(31)による囲碁の第二十九期新人王戦(本紙主催)決勝三番勝負第一局が十五日、東京・千代田区の日本棋院でおこなわれ、午後九時十三分、三一五手で白番の坂井六段が七目半勝ちし優勝まであと一勝としました。第二局は三十日、大阪・関西棋院でおこなわれます。
対局は、立ち会いの戸沢昭宣九段、関西棋院常務理事の村岡茂行九段らが見守るなか、溝上七段が握って黒番で開始。序盤は左上隅から中央へかけての競り合いとなりました。
黒23に白24と切って難しそうな局面。ここで溝上七段は長考して黒25の受け。控え室で検討していた結城聡九段は「白26の手で27とアテてどんどん押せば白、面白い」という意見でしたが、慎重な白26を見て「決勝戦の手ですね」と評します。
左下は、坂井六段が隅の白地を味よく確定。黒は、上辺の白模様に63と打ち込みました。ここのたたかいでは「白の味が悪くなった」と村岡九段はいいます。
白98以降は下辺のたたかい。先に時間を使い果たした溝上七段は秒読みに追われながら打ち進めます。坂井六段も終盤必死に頑張り、右上の白石を取られたものの、接戦・混戦に勝利しました。
坂井六段の話 右上を取られて「しまった」と思いましたが、よく数えてみると意外に地がありました。
溝上七段の話 何度かチャンスはあったはずですが、よく分かりません。
先番 溝上知親七段 坂井秀至六段 (持ち時間各4時間、315手完、白7目半勝ち) 172(42)175(133)178(42)181(133)186(42)189(133)192(42)197(1)213(205)216(108)233(205)236(108)239(138)260(117)264(234)267(229)270(234)273(229)276(234)289(286)313(229)314(45)315(234) |