2004年9月16日(木)「しんぶん赤旗」
日本共産党の志位和夫委員長は十五日、国会内で記者会見し、イラク問題、沖縄米軍基地問題、消費税増税問題などについて当面の情勢の特徴について語りました。志位委員長は今週から水曜日に定例記者会見をおこなうこととし、今回は定例記者会見の一回目となります。
消費税増税問題をめぐる動きについて、志位氏は、「財界、政府・与党、民主党がジョイントベンチャー(共同企業体)を組んで、大増税への道普請(道づくり)をはじめている」と指摘。そこでは、「年金改悪の強行などで、“消費税増税は社会保障のため”というこれまでの口実だけでは国民に説明できなくなり、あわせて“財政危機の打開”という口実を出してきたことが特徴となっている」とのべました。
このなかで、志位氏は、財界の動きとして、日本経団連が最近発表した財政試算にふれ、そこでは“消費税増税をやらなければ財政の大破たんになる”と国民を脅しながら、二〇〇七年度には10%、その後1%ずつ増税して二〇一二年度には15%という大増税路線を打ち出していると指摘しました。
一方、政府・与党では、谷垣禎一財務相が財政制度審議会に対し、消費税増税、定率減税廃止を指示したことをあげ、「ともかくこれまで建前としていた“増税なき財政再建”という方針を公然と転換させたもので、重大だ」とのべ、ここでも“財政危機の打開”を口実にしていることが特徴だとのべました。
また、民主党について、岡田克也代表が代表再選にあたって打ち出した「日本復活ビジョン」で、「財政の建て直しに道筋をつける」という理由で「増税の中心は間接税(消費税)にならざるをえない」と打ち出していることをあげ、財政再建を口実とした増税路線の大合唱の一翼をになっていることを明らかにしました。
志位氏は、財界、政府・与党、民主党による“財政危機の打開”を口実にした消費税増税の大合唱に対し、「これほどまちがった議論はない」と批判。その理由として(1)そもそも現在の財政危機は、ムダな公共事業の積み増しや大銀行への税金投入など放漫財政と、大企業、大金持ちへの大減税という大盤ぶるまいで財政に穴をあけたことによるもので、その穴埋めを庶民増税でおこなうことは国民はとうてい納得するものではない(2)一九九七年の5%への消費税増税は“財政構造改革”を口実にしたものだったが、その結果、大不況を招き、不況対策という口実による公共事業の大幅積み増しでさらに借金を膨らませ、逆に財政を悪化させた――ことをあげました。
その上で、志位氏は、「草の根で消費税増税に反撃する運動がさまざまに強まっている。国会、草の根で増税を中止させるたたかいを強めたい」とのべました。
このほか、臨時国会の早期召集問題や民主党に対する立場などについて質問が出され、志位氏は一つひとつにていねいにこたえました。