日本共産党

2004年9月15日(水)「しんぶん赤旗」

大量破壊兵器「保有」断言

小泉政権の責任は

「発見不可能」のパウエル発言

【関連ページ】党首討論 イラク大量破壊兵器問題 何を根拠に「保有」と断言したのか(03年6月)


表

 パウエル米国務長官がイラクで大量破壊兵器を発見できないと認めたことについて、細田博之官房長官は十四日、「イラクが過去に化学兵器を使ったことがある」とこれまでの弁明を繰り返しました。当の米政府でさえ誤りだと認めてもなお、イラクの大量破壊兵器「保有」を断言してイラク戦争を支持したことは正しかったとする小泉政権の無反省な姿勢が表れています。

 もともとイラクの大量破壊兵器「保有」問題をめぐっては、パウエル長官自身が二〇〇三年二月の国連安保理事会で「証拠」なるものを示した経過があります。米英両国はそのことを「大義」に戦争に踏み切りました。

 小泉純一郎首相は米側の言い分をうのみに、「大量破壊兵器を保有するイラク」(小泉内閣メールマガジン)と断言してイラク戦争を支持しました。国際的に「保有」が疑問視されるようになってからも、「フセインが見つからないから、存在しないとはいえない」という詭弁(きべん)でごまかしました。

 ところが米英両国では、政府内からも保有に疑問の声があがり、米調査グループの前団長さえ「もともと存在しなかった」と証言。パウエル長官自身が当時、「未決着」の問題であることを認めていました。

 小泉首相も今年一月の通常国会で日本共産党の追及に、「もっているともいないとも断言できない」とのべ、「保有」を断言したことは撤回しました。ところが過去に使用していたから「持っていたと断言しても不思議はない」と新たな居直りに終始しました。

 しかし過去に使用していたからといっても、それは可能性を示したにすぎず、イラク戦争開戦当時に「保有」していたと断言できる根拠とはなりえません。

 米政府はついに事実を立証できず、「保有」を断言する根拠は崩れてしまいました。そうである以上、米政府の言明をうのみにしてイラク戦争を支持した日本政府は、そのことの責任を明確にする必要があります。山崎伸治記者


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