2004年9月14日(火)「しんぶん赤旗」
日本経団連(会長・奥田碩トヨタ自動車会長)は十三日、税財政と社会保障「改革」についての計量計算をおこない消費税増税に向けて新たな試算を発表しました。消費税増税に向けた試算は、日本経団連が二〇〇三年一月発表した「奥田ビジョン」以来です。消費税増税に向けた取り組みを小泉内閣に強く求めた格好です。
試算では、増税をするかしないかなど四つの類型を示しています。社会保障関係の給付と事業主負担の抑制を前提にして消費税増税をするケースを二通り示しています。ケース一では税率を〇七年度に10%に引き上げ一〇年度には13%、一三年度には16%に引き上げる。ケース二では、〇七年度に消費税率を10%に引き上げて以降、一年ごと1%ずつ段階的に引き上げ一二年度には15%にするというもの。
消費税率の引き上げを小泉首相が「否定」していることについて「抜本改革に向けた道筋は未だ見えていない」と不満を表明しています。社会保障制度「改革」についての政府の方針についても「『公的年金の一元化を展望する』こと以外は明らかでない」と強調。社会保障にたいする企業負担増を避けるための「改革」を進めることを求めています。