日本共産党

2004年9月11日(土)「しんぶん赤旗」

経営者側に変化−−

ファンと選手のたたかいが反映


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 会見後、協議交渉委員会の瀬戸山委員長(ロッテ球団代表)から握手を求められた古田選手会長は、やんわりと断りました。その姿は、たたかいはまだ続く―そんな決意の表れに見えました。

 今回の交渉で、経営者側は交流試合を入れた場合に近鉄が存続できるのかを分析し、選手会に提示すると約束しました。これは、情報開示を求めてきた選手会の要求がある程度実ったものです。

 選手会がストの延期を選択したのは、「大阪に近鉄バファローズを残せるかもしれないとの可能性にかけた」(古田会長)からです。

 これまでの交渉では、決定権を持たない球団の代表らが、選手会の要望に対して「持ち帰って検討する」と先延ばしにしたあげくうやむやにしたり、「オーナー会議で決まったことだから」と一方的に通告するなど、不誠実な対応を重ねてきました。

 それが今回は、オーナーから一定の裁量権を与えられました。選手側からも「『それはダメだ』ばっかりだったこれまでと比べると違った」という感想がでました。そうした相手の変化に、選手会も「柔軟な対応」(古田会長)をとったのです。

 選手会はファンから託された約120万人分の合併反対署名を協議の場に持ち込みました。「ストも辞さず」と、たたかってきた選手会と「自分たちの声を聞いて」と立ち上がったファンの行動がこうした経営者側の変化をつくりだしました。

 古田会長は「開かれた、新しい、ファンに愛される組織に生まれ変わっていきたい。まだ、やらなければならないことがたくさんある」と力強く語りました。

 球界の将来はどうなるのか――。衆人環視のなかで、経営者側には、いまこそプロ野球の発展を見据えた決断が求められています。

 栗原千鶴記者



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