2004年9月11日(土)「しんぶん赤旗」
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リストラで人減らしをすればするほど税金をまけてやる「産業再生」法の認定を受けた企業二十三社が、二〇〇三年に自民党(国民政治協会)へ三億一千二百六十三万円もの献金をしていたことが十日付官報で公表された〇三年政治資金収支報告書でわかりました。
二十三社のうち十七社が計一万九千六百六十人の人員削減を計画。その減税見込み総額は三十四億四千万円にのぼります。企業のリストラ・人減らしに政府がお墨付きを与え、その“恩恵”の一部が「産業再生」法制定に動いた政党に還流した形です。
同法は、財界の強い要求を受けて一九九九年に自民・公明・自由の賛成で時限立法として成立。〇三年四月には、五年間延長し、対象企業の拡大などを盛り込んだ改悪が民主党も賛成して強行されました。
自民党に百万円以上を献金した認定企業二十三社の多くは、自動車、鉄鋼、電機業界です。
なかでも奥田碩日本経団連会長が会長をつとめるトヨタは、六千四百四十万円と断トツ。九九年の「産業再生」法成立以来五年間の献金総額は、三億二千六十万円にのぼります。トヨタは三千二百五十九人を削減するリストラ計画で三億五千五百万円の減税を受けています。減税分を献金にまわした格好です。
トヨタをはじめ自動車大手(マツダ、日野、富士重工、スズキ)のリストラ計画(合計約七千六百人)による減税額は十四億八千六百万円。五年間の自民党への献金総額は六億六千九十四万円です。減税額の44%で献金がまかなえる計算です。
〇三年に自民党へ千六百二十万円を献金したスズキは、民主党(国民改革協議会)にも二百六十万円献金。認定企業の一つである協和発酵工業も自民五百三十六万円に加え、民主にも四十万円献金しています。
「産業再生」法 企業「再生」のためのリストラ計画を政府が認定し、税制上の特例措置や金融面の支援など優遇措置を与える法律。 認定企業は、会社の設立や増資、合併や会社分割のさいの登記にかかる登録免許税が減税されたり、日本政策投資銀行などの低利融資などが受けられます。 |