2004年9月10日(金)「しんぶん赤旗」
|
|
自民党旧橋本派(平成研究会)への一億円献金事件で、臼田貞夫前会長(73)が逮捕された日本歯科医師連盟(日歯連)が、同党医療基本問題調査会の議員に政治献金やパーティー券購入で総額約五千百万円を提供。提供政治家はあわせて同党の四十九人(うち現職四十二人)、民主党五人に――。十日付で公表された二○○三年分の政治資金収支報告書でそんな事実が分かりました。
また、自民党の政治資金団体「国民政治協会」には三億一千二百六十七万円の献金があり、日歯連と同党の関係の深さが改めて浮き彫りになりました。日歯連の地方組織をふくめると、政界に流れた金は判明分だけで、四億二千百七十二万円にのぼりました。
日歯連の報告書は、関係書類が東京地検特捜部に押収されたため、ほとんどを「不明」と記載しています。このため、献金を受領した議員側の報告書を調査しました。
この結果、自民党医療基本問題調査会のメンバーのうち、日本歯科医師会出身の中原爽参院議員への三千万円が突出。二田孝治衆院議員に五百万円、会長の丹羽雄哉衆院議員にも二百五十万円分のパーティー券購入があり、計十二人(二人は昨年の衆院選で引退、落選)で五千百六十万円に上ります。
調査会メンバー以外にも日歯連資金は幅広く提供されています。
閣僚では、二〇〇〇年から〇二年にかけて総額四千万円の迂回(うかい)献金が指摘されている石原伸晃国土交通相に四百五十万円。亀井善之農水相、麻生太郎総務相に各百万円、金子一義行革担当相に二十万円。また、額賀福志郎政調会長は二百万円でした。
石原国交相とともに、政策集団「NAIS」(ナイス)をつくり、日歯連側の要望を厚生労働省幹部に伝えるなどした根本匠衆院議員は三百万円、安倍晋三幹事長、塩崎恭久衆院議員は各百万円でした。
一億円ヤミ献金で、橋本元首相が事情聴取された旧橋本派は、日歯連から百万円、神奈川、福岡両県の連盟から計九十万円でした。
民主党は中野寛成副議長(現在無所属)、米沢隆衆院外務委員長など五人が日歯連マネーを受けていました。