2004年9月9日(木)「しんぶん赤旗」
【モスクワ=田川実】ロシア国防省のバルエフスキー参謀本部長は八日の記者会見で、「テロリストの基地への予防攻撃の実行に関して、われわれは世界のどの地域であれ、テロリストの基地を破壊するためあらゆる行動をとるだろう」と述べ、ロシア領外でのテロリスト拠点への「予防攻撃」(先制攻撃)の用意があると表明しました。
「予防攻撃」の方針は昨年十月のロシアの新軍事ドクトリンに含まれていますが、今回の発言は、学校占拠・人質事件の直後だけに注目されます。
同参謀本部長は、予防攻撃は「核攻撃を意味しない」と述べ、「テロとのたたかいでは、軍を動かす手段は最後の手段」「(学校占拠事件があった)ベスランでも、戦闘部隊は主として(内務省の)特殊部隊だった」と説明しました。
ロシアは一九九九年九月のチェチェン共和国への第二次大規模攻撃の後、同共和国と境界を接するグルジア領のパンキシ渓谷に空爆を行ったとして、グルジア政府の抗議を受けました。ロシア側は領空外での攻撃を認めていませんが、同渓谷にチェチェン武装勢力が潜んでいるとして、グルジア側に対策を要求していました。