2004年9月7日(火)「しんぶん赤旗」
労働組合・日本プロ野球選手会(古田敦也会長=ヤクルト)は六日、神戸市内のホテルで臨時運営委員会を開き、オリックスと近鉄の球団合併の一年間凍結などを求め、ストライキ権を行使することを決めました。
古田会長は記者会見で「将来の球界に対して発言し、行動を起こさないといけない重要な立場。球団が消滅するという方向性に、選手も多くのファンも納得していない」と決意を込めました。
同選手会は日本プロ野球組織(NPB)に「合併を一年間凍結し、その是非、労働条件、および新規参入要件の緩和、ドラフト改革、収益分配策を具体的に検討する」よう要求。十日の午後五時までに受け入れられない場合は、十一日の試合を最初に九月中の毎週土、日曜日に行われる全公式戦でストを行います。
ストが実施されれば、七十年に及ぶ日本プロ野球の歴史上初めて。
これに対し、NPB側は同日開いた十二球団代表らによる実行委員会で両球団の合併を承認。八日のオーナー会議で正式承認をはかる運びとなりました。
六月十三日に明らかになった両球団の合併合意は、急速に一リーグ制・球界再編へと進展。しかし、その動きは選手やファンを置き去りにしたまま、親企業の一方的な都合で押し進められてきました。こうした事態に、選手やファンらが立ち上がり、各地で合併反対の署名やデモが行われました。球団側がこれを無視する形で性急に合併をごり押ししたことが、スト決断の背景にあります。