2004年9月6日(月)「しんぶん赤旗」
プロ野球近鉄とオリックス球団の合併問題が大詰めを迎えるなか、五日、大阪と東京でファンらが「合併反対」などの声をあげました。
近鉄の地元大阪では、バファローズ応援団とファンら有志でつくる各団体が呼びかけ、「バファローズを守ろうデモ集会」を開催。大阪市北区の中之島公園剣先広場を出発し、メーンストリートの御堂筋を約五キロにわたって歩きました。沿道からの飛び入りもあり、参加者は千三百人をこえました。(主催者発表)
近鉄のチームカラーの赤色を身につけ、それぞれが手書きのプラカードや横断幕を掲げながら、「愛する球団を残そう」「密室で決めた合併は認めない」と唱和。トランペットを吹き鳴らし太鼓をたたいて、パ・リーグの連盟歌をうたうなど、合併阻止への思いを一つにしました。
歩き通した東瀧樹哉(ひがしたき・たつや)くん(9っ)は、堺市から一人で参加。「初めてのデモやったけど、おもしろかった。合併はいやだ。ずっと、バファローズを応援していきたい」
沿道で声援を送っていた浪速区在住の男性(54)は「合併を聞いたときはダメかと思ったけど、ファンの声が届きだした気がする。(デモに)若い人が多くてすごい」と話しました。
「バファローズ大阪私設應援團」の和田益典・副団長(30)は「スタンドにきているファンからデモをしてほしいという要望があった。こんなに集まってくれて正直びっくり。千三百人という数字は力があると思う。最後までたたかいます」と力強く語りました。
東京では、約二百五十人のプロ野球ファンらが午前十時に港区の芝公園を出発しました。各チームのユニホームを着て、「合併反対 ファンの声を無視する1リーグ制NO」「パ・リーグ俺(おれ)たちの誇り」など、思い思いに書き込んだプラカードを掲げ、日比谷公園(千代田区)までの約三キロを行進しました。
ドラムの音頭に合わせ「安易な合併反対」「選手とファンの声を聞け」「がんばれ古田」と唱和し、パ・リーグの連盟歌「白いボールのファンタジー」を合唱しながら、選手やファンを置き去りにした今の球界再編に反対の声をあげました。
今回のデモを主催したのは「プロ野球の真の改革を目指す会」と「プロ野球球団合併反対の会」。改革を目指す会の宮崎成哲さん(23)は「合併に反対するいろんなグループが協力して、球場や駅で約七千枚のビラを配ったり、インターネットを使って呼びかけました。大阪と同時にやれて、ファンが一つにまとまったことを示せたと思います。これでもだめなら、全国各地で行動を呼び掛けたい」と意気込みました。
横浜のユニホームを着た二十歳の女性は「ファンの声、選手の声を無視して上の方で知らない間に合併を決めてしまうことは絶対に嫌だと思いました。私たちの声がオーナーに伝わるのか不安ですが、少しでも力になりたい」と話しました。