日本共産党

2004年9月6日(月)「しんぶん赤旗」

日歯連

大半が迂回献金

議員提供後に国政協領収書


 日本歯科医師連盟(日歯連)めぐる事件で、日歯連から自民党の政治資金団体「国民政治協会」(国政協)への献金の大半が、議員が受取先として指定された「迂回(うかい)献金」を目的に支出されていたことが五日、関係者の話で分かりました。毎年数億円に上ることになります。

 日歯連側が有力議員側に資金提供後、国政協から領収書が発行されたケースもあり、後から「迂回献金」として処理した疑いがあります。

 国政協、自民党本部が“資金洗浄”する巧妙な献金実態が問題になっています。

 一連の経緯は日歯連前常任理事の内田裕丈容疑者(63)らが東京地検特捜部の調べにも供述しているとみられます。

 関係者によると、日歯連は国政協に二○○○年から○二年は年約五億九千万―約四億五千万円を寄付しましたが、大半は受取先を指定しており、日歯連の帳簿には議員の名前や頭文字などが注釈として残っていました。

 臼田貞夫容疑者(73)が会長就任前の一九九九年には約六億六千万円を寄付しましたが、厚生族議員あてなどと指定。診療報酬改定をめぐり献金額が増えたため、これを隠す狙いがあったとみられます。

 一方、ある有力議員のケースでは、議員側に献金後、「領収書は国政協から日歯連あてに出します」と連絡がありました。

 日歯連側は金の支出のために議員名も記した内部の仮受領書を廃棄。収支報告書には国政協への献金として記載しましたが、帳簿には議員の名前などが残ったといいます。

 関係者は「純粋な国政協への献金は少なく、ほとんどが『ひも付き』としての支出だった」と話しています。

 迂回献金は過去にも疑惑が指摘され、日歯連事件では厚生労働政務官だった佐藤勉衆院議員へ五百万円が渡ったとして、収賄容疑の立件が検討されました。橋本派への一億円でも、領収書発行のために迂回献金として処理しようとした疑いがあります。



もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp