2004年9月4日(土)「しんぶん赤旗」
プロ野球の大阪近鉄バファローズとオリックス・ブルーウェーブの球団合併問題で、労組・日本プロ野球選手会(古田敦也会長=ヤクルト)が、日本プロフェッショナル野球組織(NPB)を相手に、団体交渉権を求め得る地位の確認と、NPBと選手会双方が参加する特別委員会の招集などを求めた仮処分の申し立てに対し、東京地裁(土田昭彦裁判官)は三日、このいずれをも却下しました。選手会側はこの決定を不服として同日、東京高裁に即時抗告の手続きを取りました。
同地裁は、選手会が「団体交渉の主体となり得る」として、団体交渉権を持つことを認めました。しかし、近鉄とオリックスの球団合併に伴う団体交渉については「NPBが処分可能なものではない」とし、現時点までの労使交渉の状況からして、仮処分の必要性はない、と判断しました。
また、近鉄、オリックス両球団の合併を、特別委員会の議決を経ないで決めるのは不当であるとした点については、「特別委の審議、議決事項には当たらない」とした上で、「球団合併が特別委の議決を経ずに決定されても無効ではない」として、これを退けました。
さらに合併後の選手契約についても、「合併後の新球団や他の十球団で契約を引き継ぐことが合意されている」として、仮処分の必要性を認めませんでした。
労組日本プロ野球選手会の松原徹事務局長は、同日、「これからも引き続きあらゆる方法で、早急な球団数の削減、1リーグ化を阻止するために全力を尽くしていくという選手会の立場に変わりはない」とのコメントを発表しました。
労組日本プロ野球選手会・古田敦也会長(ヤクルト) 結果だけは聞いた。内容を詳しく聞いて今後の対応を決めたい。(却下の)予想はしていなかったが、可能性はあると思っていた。残念な結果です。