日本共産党

2004年9月4日(土)「しんぶん赤旗」

多様性の中での共同の平和と発展へ

第3回 アジア政党国際会議開幕


 【北京=菊池敏也】「交流、協力、発展」を主題とする第三回アジア政党国際会議が三日、北京市内のホテルで始まり、アジアの三十四カ国の約八十政党の代表が出席しました。これには、不破哲三議長を団長とする日本共産党代表団(団員・緒方靖夫国際局長)が出席しています。

 かつての分裂したアジアから社会制度、歴史やイデオロギーの違いをこえて、多様性のなかの共同を進めるために、アジア諸国の主要政党が一堂に集まり、アジア地域の平和と発展をめぐり意見交換が進められます。


不破議長、中国共産党首脳と交流

胡錦濤総書記とあいさつ交わす

日中両党、両国関係など曽慶紅氏(今回の国際会議の責任者)と会談


 【北京=鎌塚由美】第三回アジア政党国際会議に出席中の日本共産党の不破哲三議長(代表団長)は同日夕、会議主催者の中国共産党の胡錦濤総書記(国家主席)と人民大会堂であいさつを交わし、同日夜の胡総書記主催の晩さん会に出席しました。また、同日午後、不破議長は、会議の名誉委員長を務める曽慶紅・中国共産党政治局常務委員・国家副主席と今回の会議の意義や両党・両国関係についてなごやかに会談しました。

写真

会談を終え握手する不破哲三議長(左)と中国の曽慶紅国家副主席=3日、北京・人民大会堂(林信誠国際局員撮影)

 会談で曽氏は冒頭、「中国共産党指導部を代表して日本共産党から最高レベルでの参加をいただいたことに心から感謝している」と語りました。

 これに対して不破議長は、会議開催に責任者として尽力した曽氏に、招待への感謝を述べ、曽氏が基調演説で触れたかつての「アジアの分裂」の時代から今日までの「アジアの大きな変化」について語りました。例えば、米国のベトナム侵略戦争では東南アジアは「分裂」していたが、それを乗り越え、その東南アジアが今日「世界への平和の発信地になっている」と指摘。今回の会議でアジアの各党が思想の違いを越え一堂に会していることが「二十一世紀の重要な流れをあらわしていると痛感した」と述べました。

 両党関係について、曽氏は、両党が誕生した一九二〇年代から今日にいたるまでを振り返り、一時の中断もあったがとしながら、中国の解放闘争のなかでも、中日国交正常化のなかでも、日本共産党からの支援があったことに感謝を表明。一九九八年の関係正常化以来、両党関係が発展していることを喜び、「両党関係の不断の発展を通じて、両国政府人民の友好関係も発展させたい」と述べました。

 曽氏は両国関係にふれ、「全般的に友好の方向に向かっているが、両国の間に障害や雑音がある」と語り、「不破議長の見解をうかがいたい」と述べました。

 不破氏は、両党関係の正常化にあたっての中国側の誠実な対応が「現在までの両党関係の発展の前提になっている」と指摘。両国関係については、「両党関係が両国関係に直結するものではない」と前置きし、中国と世界の他の地域・大陸との関係が大きく発展している一方、日中関係が世界の中で例外的に悪化していること、経済発展や観光客の増加があるのに、政治だけが困難な状況にあり、その根源にはつきつめてみれば、「一人の政治家の間違った行動」があると語りました。

 不破氏は、問題解決には一定の時間がかかるだろうが、やがて解決されることは世界の流れから言って間違いない、双方の協力が必要だがと語りました。曽氏は、この指摘に同意し、両国間の「雑音」について、「われわれの国でも起こっている」と語り、八月はじめに開かれたサッカーのアジア杯決勝戦では、「見たくないことが起こり残念だ」と述べました。

 不破氏は続いて、「中国の皆さんにお願いしたいのは、雑音を出している部分と、国民全体とを区別してほしいということ」と語ると、曽氏は、「雑音は主流ではなく、友好が本流です」と応じました。

 会談には、日本共産党からは緒方靖夫国際局長・参議院議員、中国共産党からは中連部の劉洪才副部長、陳燕華・アジア二局副局長が同席しました。



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