2004年8月25日(水)「しんぶん赤旗」
【ベルリン=片岡正明】ドイツの長期失業者への援助制度改悪に反対する月曜デモが二十三日、ドイツの百四十都市で行われ、計十万人が参加しました。デモは、失業保険手当の給付期間が切れた後の長期失業者に支給されてきた失業扶助金の大幅減額に反対するもの。シュレーダー政権の社会保障改悪政策「アジェンダ二〇一〇」全体に反対し政策の根本的転換を求める動きともなっています。
最大のデモはライプチヒの三万人。参加者は「失業扶助改悪がなくなるまでデモを続ける」「アジェンダ二〇一〇で社会民主党は見放されるぞ」などのスローガンを掲げ、行進しました。
ベルリンのデモでは一万五千人が市役所前に集まりました。反グローバル化組織、アタックのアストリド・クラウス氏は「政府の表面的な失業扶助改悪の修正では抗議行動をストップできない。政治の根本的な方向転換が必要だ」と、「アジェンダ二〇一〇」政策そのものの転換を訴えました。デモは、「改悪」には与党・社民党と連立する90年連合・緑の党にも責任があるとして、同党本部前まで行進しました。
デモは旧東独地域が中心で、参加者はマクデブルクで一万五千人、ハレで五千人、デッサウで四千五百人、ケムニッツ四千五百人、コトブス三千人などでした。
クレメント経済労働相は「デモはドイツの経済的発展を促進するものではない」とデモを批判しました。これに対し労組などは「人々の生活できるかどうかの不安はとても大きい」(ドイツ労働組合総同盟・ロストク支部のクニシュ副支部長)と、デモを継続する姿勢を崩していません。
デモが三週間連続して続き拡大するなか、デモの呼びかけ団体の一つ、民主的社会主義党(PDS)の支持率が伸び、二十一日発表の世論調査では八%になりました。九月十六日の旧東独部のザクセン、ブランデブルクの両州議会選挙にも影響しそうです。