2004年8月25日(水)「しんぶん赤旗」
イラクの占領支配の一翼を担うため陸上自衛隊が派兵されているイラク南部サマワでは自衛隊宿営地を狙った砲撃が相次ぎ、同じくサマワに展開するオランダ軍ではすでに銃撃で死者も出ています。イラク暫定政府への主権移譲後も、米英軍は多国籍軍と名前を変えて居座わり、ナジャフやファルージャなどで無差別攻撃を続行。こうしたもとで自衛隊が多国籍軍の一員に加わったことが、狙われる大きな要因となっています。
いまのサマワの事態は、自衛隊派兵の根拠がまったく成り立たないことを示しています。
政府・与党は「サマワは安全だ」「非戦闘地域だから行くのであって、戦闘地域には送らない」(小泉純一郎首相)としてその規定をイラク特措法に盛り込み自衛隊派兵を強行してきました。「戦闘地域」での活動は、政府の解釈でも憲法が禁じる武力の行使につながるからです。
ところが、現実のサマワは、自衛隊の宿営地を標的にした迫撃砲が相次いで撃たれ、占領当局の事務所も爆破攻撃を受けるなど、政府自身の言い分からみても「戦闘地域」そのものに進展。相次ぐ砲撃で自衛隊員は宿営地外に出ないようにしていますが、この措置も宿営地周辺が「戦闘地域」になったということを自ら証明する行動です。
「戦闘地域には送らない」という政府の言明に照らしても、自衛隊派兵を続ける条件はまったくなく、すみやかな撤兵は急務です。(柳)