日本共産党

2004年8月11日(水)「しんぶん赤旗」

失業者援助の改悪反対

ドイツ 36都市4万人がデモ


 【ベルリン=片岡正明】ドイツの長期失業者への援助制度が二〇〇五年から改悪されることに反対する月曜デモが九日夜、ドイツの三十六都市で行われ、計四万人が参加しました。

 ドイツでは長期失業者に対し、失業保険からの失業手当給付期間が切れた後に失業扶助が給付されていました。これが来年一月から社会扶助(日本の生活保護に相当)と一本化され、大幅に減額されます。失業率が18・5%で長期失業者が多い旧東独地域では、この問題が特に深刻に受けとめられています。

 デモは労組や民主的社会主義党が呼びかけました。最大のデモはザクセン・アンハルト州のマクデブルクで約一万五千人が参加。参加者は「シュレーダー(首相)は去れ」「アイヘル(財務相)は笑っても子どもは泣いている」「この法律は困窮と貧乏だ」などのプラカードを掲げ、行進しました。

 これまで失業扶助は最終賃金の約半分が支給されていました。制度改革で支給額は旧西独地域で一人三百四十五ユーロ(四万二千円)、旧東独地域では三百三十一ユーロに減額されます。

 一万三千ユーロ以上の財産があれば支給が停止されます。子どもがいる場合は約二百ユーロの追加金が出ますが、子どもに七百五十ユーロ以上の銀行口座があると追加金は差し止められます。

 制度改悪に対し、金属産業労組(IGメタル)や統一サービス産業労組(ベルディ)などの労組が強く反対。与党・社会民主党内でもラフォンテーヌ元党首が「シュレーダーは首相を辞めよ」と迫っています。



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