日本共産党

2004年8月7日(土)「しんぶん赤旗」


財界はなぜ消費税増税に熱心なんだ


減税と社会保障負担軽減のためだ


題字

  わかんねえな。どう考えてもわかんねえ。

  どうしたい。

  財界・大企業がやたら、消費税率の引き上げに、熱心じゃねえか。どうしてなんだ。

  そのことか。

  やっぱり社会保障の充実のためかな。

  それはないな。だって、一九八九年に消費税が導入されてから、十四年以上たつけど、社会保障は充実されたか。

  そういえば、逆だな。どんどん悪くなっている。

  だろ。

グラフ

消費税どこへ

  だったら、おいらたち庶民から集めた消費税は、いってぇどこに消えちまったんだ。

  問題はそこだ。消費税の税収は八九年からの合計で約百四十七兆円だ。同じ時期に、この額とほぼ同じ税収が減っちまっているんだ。

  なんだい、それは。

  大企業などが納める法人税だ。百四十五兆円も減っている。不況のせいもあるが、法人税の税収を相次いで減税してきたことが大きい。

  するってぇと何かい。消費税で集めた税金は、法人税が減った分の穴埋めにつかわれてしまったてぇことかい。

  そういうことだ。もともと、財界が消費税の導入を求めたのも、福祉のためなんかじゃない。大企業減税(法人税減税)のためだったんだ。

  えっ、そうなのかい。

  当時の経団連の代表は政府税調の公聴会(八六年八月)で、「(法人税の)減税財源」として「課税ベースの広い間接税(大型間接税)を導入すべきだ」と公然と要求していたっていうから、驚きだ。

  それが、消費税という名の大型間接税の導入につながったてぇわけか。あきれたね。

  いま、日本経団連は「遅くとも二〇〇七年度までに消費税率を10%に、二五年度までに18%に」といっている。その理由も、これまた露骨だ。

  なにかい。また、法人税を下げるために、消費税率を上げろといっているのかい。

  もちろん、それもある。もうひとつ大きなのは、企業が負担する社会保障の保険料を軽くしろ、できればなくしてしまえということなんだ。

  おいおい、まさか、その財源も消費税の増税で賄えっていってんじゃないだろうな。

  そのまさかだ。社会保険料は現在、労使折半。つまり、企業が半分負担している。この労使の負担割合もヨーロッパと比べると、随分と企業負担が軽いんだがな。財界はどうしたいのか、日本経団連が昨年一月に発表した「奥田ビジョン」に本音が出ている。

  何といっているんだい。

  こうだ。公的年金の基礎年金部分や高齢者医療・介護の財源については「消費税を活用することが望ましい」としたうえで、厚生年金などの社会保険料について、「企業の従業員についても、自営業者と同様、保険料を全額本人が負担する方法に改めることが考えられる」といっているんだ。

  どういうことだい。

  企業は負担しませんよ、従業員本人と消費税で負担すればいいじゃないか。とまあ、こういうことだ。

社会的責任は

  それをいっちゃあ、おしめえよ。企業の社会的責任ってえものは、どこにいっちまったんだ。

  いいこというねえ。日本の企業の税と社会保険料をあわせた負担は、いまでもフランスの二分の一しかない。日本の財界や大企業に、声を大にしていいたいね。こんなに大もうけしているんだから、社会的責任を放棄せず、せめてヨーロッパ並みの負担をしなさい、と。



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