2004年8月1日(日)「しんぶん赤旗」
【パリ=浅田信幸】イタリア下院は二十九日、徴兵制廃止法案を賛成四百三十三、反対十七、棄権七の圧倒的多数で可決し、百四十三年続いた青年の義務兵役に終止符を打ちました。同法は来年一月一日より施行されます。
ローマからの報道によると、マルティノ国防相は「兵役で就職を遅らせてきた青年にとっても、訓練不足のため兵を海外の微妙な任務に派遣できない軍にとっても利益となる歴史的決定だ」と法成立を歓迎しました。
同法は徴兵制(十カ月)を廃止する一方、兵力確保のため国防省警察官、一般警察官、税関員、消防員に一年間、兵役につくことを義務づけています。
採決では与野党の広範な勢力が賛成しましたが、共産主義再建党は「職業軍化は軍事力強化だ」と批判して反対票を投じ、緑の党が棄権しました。