2004年7月30日(金)「しんぶん赤旗」
米国産牛肉の輸入再開問題を話し合う日米BSE(牛海綿状脳症)協議をめぐって、日本消費者連盟(富山洋子代表運営委員)は二十九日、「(内閣府の)食品安全委員会の審議に先行して、輸入再開を前提としたBSE安全対策を打ち出すのは消費者として納得できない」として、亀井善之農水相に公開質問状を提出しました。
公開質問状は、今月二十二日の日米両政府の専門家会合で、若い牛を全頭検査から除外することを前提とした対策を打ち出したことを批判。「米国の危険部位除去の徹底の保証は何か」「米農務省監査局の報告書による感染チェック漏れなどの検査体制の欠陥を米国にどう質すのか」など四項目について、八月十日までに回答することを求めています。
また、米国の食肉大手タイソン・フーズ社の従業員が加盟するチームスターズ労組と、米国の十四の消費者団体が米国内でも全頭検査の実施をもとめて声明をだしていることにもふれ、「米国に対して日本の現在の安全対策を一歩も譲るべきではない」と指摘。日本政府として、現在のBSE安全対策を堅持するよう要請しました。
また、食の安全・監視市民委員会(神山美智子代表)は二十八日、食品安全委員会(寺田雅昭委員長)にたいして「日本の消費者は輸入再開を支持できません」とする意見書を提出しました。
意見書は、食品安全委員会の専門調査会が、全頭検査見直しの報告書をまとめようとしていることにたいして「大統領選を控えた米国政府の圧力を感じないわけにはいきません」と指摘しています。