日本共産党

2004年7月29日(木)「しんぶん赤旗」

男女共同参画白書から (下)

賃金は、男女に大きな差

差別改善への提案なく


グラフ

 賃金では、男女に大きな差があると白書は指摘します。女性は年間三百万円以下が63・8%で、男性は17・8%。逆に七百万円超は男性が22・5%で女性は3・1%です。

 女性の一般労働者の給与水準と男性との差は縮まっているものの男性の67・6%(二〇〇三年)。女性パートタイムの給与水準は、男性の一般労働者の44・5%で男性のパート労働者に比べて5・4%も低くなっています。(グラフ)

 国連婦人の十年の中間点にあたる一九八〇年、日本は女子差別撤廃条約に署名し、八五年に批准しました。

 昨年、同条約の実施状況を審査した国連女性差別撤廃委員会は、日本政府に二十二項目の勧告を出しました。

 勧告は、▽憲法で規定する両性の平等について国内法に明確な規定を設ける▽ハイレベルの政策決定に女性が参画する権利を拡大させる▽男女間の賃金格差の是正―などです。

 白書は、男女共同参画社会の実現にむけて〇三年度に政府が実施した施策、〇四年度にすすめる計画を示しています。しかし、国連の勧告をどう国内で実現するかについては示されていません。

 女性の強い願いとなっている選択的夫婦別姓制度の実現、女性のみの再婚禁止期間や婚外子差別など民法上の差別是正についても触れられず、差別改善にむけた提案もありません。

 白書は、男女共同参画に関係の深い各種条約や「国連婦人の地位委員会」などの国際会議での議論を積極的に取り入れるとしています。しかし、女子差別撤廃条約に違反した行為を個人や団体が国連に告発できる制度として国際的に重視されている同条約の選択議定書について、批准に向けた取り組みが一言も書かれていないのも難点です。

(おわり)


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