2004年7月29日(木)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の吉川春子参院議員団長と井上哲士参院国対委員長は二十八日、倉田寛之参院議長にたいし、本会議の運営をはじめ院全体の問題について協議する議院運営委員会の委員配分について、「小会派も含め、すべての会派の意思が反映されるように構成してこそ円滑かつ健全な運営が保障され、国民の多様な意思と要求をより正確に議会に反映することができる」として、十人未満の会派にも委員の割り当てをおこなうよう文書で申し入れました。川村良典事務総長が応対しました。また、吉川、井上両氏は、委員長不在のため議運委員長の職務を代行している議運委の溝手顕正理事と自民、民主、公明、社民の各党にも申し入れました。
議運委員の配分は、国会法四六条で各会派の所属議員の比率にもとづいて割り当てると定めており、今回の参院選結果にもとづいて配分すると日本共産党と社民党に委員が割り当てられます。ところが、参院では一九五三年の緊急集会で議運委員は十人以上の会派に限ると取り決められたとして、委員配分しない動きが出ています。
吉川氏らは、「国会法で定めた比例配分なら委員が割り当てられるのに、それがされないというのは非常に問題だ」と指摘。小会派の発言の保障を重要課題としてきた参院改革の流れにも反するとして、「この際、民主的なルールにあらためてほしい」と強調しました。
日本共産党参院議員団による「議院運営委員会の委員配分についての申し入れ」は次の通りです。
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議院運営委員会は、本会議をはじめ院全体の運営について協議する院の要の委員会です。本会議は、院に所属する全議員で構成する会議であり、院の意思を決定する機関としてその役割は決定的に重要ですが、その運営を決定する議院運営委員会は、小会派も含め、すべての会派の意思が反映されるように構成してこそ円滑かつ健全な運営が保障され、国民の多様な意思と要求をより正確に議会に反映することができることになると考えます。
ところが参議院では、第十五回国会閉会後の参議院緊急集会における議院運営委員会(一九五三年三月二十日)での「議院運営委員は今後所属議員十人以上の会派に割り当てる」旨の決定によって、十人未満の会派には委員を配分しない運営がされてきました。この際、議運委員の算出方法を見直し、日本共産党など十人未満の会派にも議院運営委員を割り当てるよう申し入れるものです。
常任委員について国会法四六条は、「各会派の所属議員数の比率により、これを各会派に割り当て選任する」と定めています。委員会配分で常用されている最大剰余方式を使って、議院運営委員会の委員二十五名を今回の選挙に基づく会派の議席確定数に応じて比例配分すると、自民一一・八八で十二人、民主八・六七七で九人、公明二・四七九で二人、共産〇・九二九で一人、社民〇・五一六で一人となります。こうした国会法の本来のルールからみても、現行の議運委員配分方法の見直しが必要と考えます。
また、今日の参院の状況は一九五三年当時の状況と大きく変化しています。この間の参院改革では小会派への配慮を重要な課題の一つとしてきました。そのもとで参院改革協議会では、小会派への質疑時間の割り当ての配慮や委員外議員の発言制度の活用が確認されており、議院運営委員会に委員配分されない会派に対しても委員会へのオブザーバー出席を認め、委員長の許可を得て発言できる措置も新たにとられてきました。さらに、五十年も前の現行配分方法の決定以降、定数は十名も削減され、この点でも議運委員配分方法の見直しが必要です。
二〇〇一年七月選挙を受けて社民八、自由八、無所属の会六名の会派が結成された時には、これら会派より議運委員の配分の是正の要請があり、日本共産党は、改革協議会に対しても「議運委員算出方法につき、十人以下の会派への足切り要件を撤廃する」などの改革案を提起し、引き続き検討課題とすることとされてきています。
院の公正かつ民主的運営に責任をおう議長におかれては、以上の状況と経緯を考慮し、現行議運委員配分方法を見直し、十人以下の会派にも議運委員の割り当てが行われるよう申し入れるものです。
二〇〇四年七月二十八日 日本共産党参議院議員団