日本共産党

2004年7月29日(木)「しんぶん赤旗」

クラボウ本社など捜索

共産党員の思想差別告訴うけ

大阪労働局


 繊維大手のクラボウ(本社・大阪市)が、日本共産党員であることを理由に思想差別をしてきた問題で、大阪労働局が労働基準法違反(三条=信条による差別)の疑いで今年一月以降、数回にわたって本社などを家宅捜索していたことが二十八日、分かりました。差別待遇をめぐり強制捜査が行われるのはきわめて異例のことです。


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クラボウの思想差別とたたかう伊藤さん(左)と宮崎さん=大阪市

 捜索を受けたのは、本社の人事課や総務課、地下倉庫、寝屋川市の技術研究所、岡山県倉敷市の本店倉庫など。関係者数十人が事情聴取され、最近には前会長宅にも捜索が入りました。

 思想差別を受けてきたのは、伊藤建夫さん(61)と宮崎周吉さん(55)。クラボウは「共産党をやめれば、研究の仕事を与える」と上司らが執拗(しつよう)に迫り、応じないと見ると、ごみ捨てや草抜き、溝掃除などの雑用を強要したり、トイレの二階に床を張りビニールで囲っただけの小屋に“隔離”。また、二十数年間にわたり、社外に配転してきました。

 二人は昨年六月、「遅くとも一九七六年以降、差別を受けた」として、同労働局に告訴しました。

 昨年五月には、大阪地裁が「信条を理由として差別的な処遇を行うことは、人事に関する裁量権の逸脱で、違法」と断じ、二人が請求した差額賃金と慰謝料、遅延損害金など計五千百万円の支払いを命じる判決を出していました。ところが会社側は控訴。差別的労務政策を改める姿勢をみせないなか、同労働局が強制捜査に踏み切ったものです。

 宮崎さんは「二十七年間、クラボウの外で仕事をしています。日本共産党員への差別をテコに労働者支配を強めてきたクラボウは猛省してほしい。職場に自由と民主主義を確立し、私たちの名誉を回復したい」と語っています。


 労働基準法第三条 使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。


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