日本共産党

2004年7月28日(水)「しんぶん赤旗」

男女共同参画白書から(上)

半数は性別役割分担肯定

背景に過酷な労働


グラフ

 内閣府が発刊した二〇〇四年版「男女共同参画白書」は、男女共同参画基本法(一九九九年)制定後の変化を男女の意識と女性のライフステージ(人間の一生を区分した各段階)の側面からまとめています。

 白書は、「女性が職業を持つことに対する意識変化」(九二年から十年間)で、「子どもができても職業を続ける」と、「子どもができたら職業を一時中断するが、大きくなったらまた持つ」をあわせて男性の七割が女性が職業をもつことを肯定しているとし、女性は「一時中断するがまた職業を持つ」が最多であると意識の変化を指摘しています。(グラフ)

 白書はまた、男女ともに「男は外で仕事、女は家庭を守る」という性別役割分担意識は大幅に減ったとしています。一方では依然、半数近くが性別役割分担意識を「肯定」しているとしています。

 同白書では、共働き世帯の実態をとりあげ、家事、育児、介護時間の比較では妻が四時間十二分なのに夫は二十五分。妻が育児のために就業を中断し子育て後に就労する場合、多くがパートタイムで収入は夫の三割程度という結果も示しています。

 性別役割分担意識は、これを生む背景のひとつに、夫のリストラやサービス残業、過労死にいたる過酷な労働があると考えられます。

 しかし白書は、これらの問題にまでは触れず労働条件改善のための具体的な提案もありません。意識を変えることは重要ですが、それをつくり出す原因を究明し、対策をとらないと性別役割分担意識を大きく変えられないのではないでしょうか。

 (つづく)


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