日本共産党

2004年7月27日(火)「しんぶん赤旗」

厚労省元局長の天下り先

無給ポストを有給に


 厚生労働省の元局長が関連法人を渡り歩き、四月から医療関係の財団法人の役員に就任、それまで無給のポストを有給にして、多額の給与を受けとっていることが二十六日までにわかりました。


月額137万円を受け取る

副理事長・専務理事就任

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都内のビル内の一角にある日本医療機能評価機構の事務所=東京・千代田区

 この元幹部は高原亮治氏(57)。去年八月二十八日、健康局長を最後に退職。十月から今年三月まで「社会保険診療報酬支払基金」の常任顧問(有給)をつとめ、四月に「日本医療機能評価機構」(坪井栄孝理事長=元日本医師会会長)の副理事長・専務理事に就任しました。

 同機構の規定では「役員は無給とする。ただし、常勤の役員は有給とすることができる」としています。高原氏が専務理事になるまで有給の役員はいませんでした。同機構は四月二十日に臨時理事会を開き、高原氏の専務理事就任を承認し、有給としました。給与の月額は百三十七万五千円です。

事務次官より上のランクで

 この額は、中央官庁幹部職員などの給与を定めた「指定職俸給表」の二〇〇二年十一月以前の最高ランク「十二号俸」とまったく同額です。

 「十二号俸」は官僚の最高位である事務次官より上。対象は東大と京大の学長でしたが、今年四月から国立大学の法人化により該当者はいません。同表の金額は〇二年十二月以降、二度引き下げられています。高原氏がつとめた局長は「七号俸」=月額百万三千円だったとみられます。

 高原氏は「三月の総会で理事に選ばれ、その後坪井さんに専務就任を要請された。臨時理事会で承認をうけ、デュープロセス(正当な手続き)をふんでいる」としています。

 同機構は、専務理事を有給にした理由について、「事業の拡大にともない常任の専務理事の仕事がふえたから」などと説明しています。


もうけあるなら利用者に還元を

 「天下り」に詳しいジャーナリスト・堤和馬さんの話 賞与はないため、局長時代とそれほど変わらない報酬でしょう。しかし、無給を有給にしたのは問題。外郭団体に天下りポストをつくった典型的な事例です。年間千六百万円も報酬を払うほどもうかっているのなら、その分は審査料の減額など利用者に還元すべきです。

カット

日本医療機能評価機構 一九九五年設立の財団法人。医療事故が社会問題化し、国民が医療の質の向上を求めるなか、医療機関を中立的な立場で評価し、問題点の改善を支援することが目的とされます。医療施設の審査料等で運営。基本財産は、厚労省、健康保険組合連合会、国民健康保険中央会等十三団体が出資、国民の税金や健康保険料などでもまかなわれています。



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